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「エヲカク」

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 白渚海岸の消波ブロックについて説明を伺いに、鴨川土木事務所まで出向いた。SFJの大久保代表、事務局の上田さん、ノンキーの大久保ハルさん、川井幹雄先生までが参加してくれた。和田からは私と中台さん、援軍として朝日新聞社の根岸氏にも同行願った。別に喧嘩腰で行ったわけではないので、援軍という言い方は不適切であるかもしれない。

 「とりあえず護岸工事は進んでおり来年には終了する。その後に、沖合いにどのような構造物を入れるかについてはまだ決定していない。が、思いのほか早く予算、補助金が出そうなので、来年1月20日までには絵を書かなくてはならないことになっている。」

「エヲカクというのはどういう意味でしょうか?」と私・・・・・・

「つまり設計図を作成するということです」と担当者の方・・・・・・

 たとえば我家の小学生の息子が展覧会に絵を出品するにしても、たぶん十分に時間をかけて考え、そして書き上げていくと思うのです。予算の目処がついたから大急ぎでやっつけてしまうようなものとは違うような気がして、怖くなった。生身の体に刺青を彫る、つまりエヲカク、そんなことよりもっと不気味でオドロオドロしいことに思えて、すこし震えてしまった。担当者の方は、本当に親切丁寧に対応していただき感謝している。たぶん、あの方にも家族がいて、年の離れた私たちに「あーだコーダ」言われ、仕事とはいえ、さぞかし不愉快であったことだろう。問題は、対応していただいたあの方にではなく、国の政策、というか構造にあるのは解りきってもいる。ただし、たった2ヶ月で本当に良い絵が書けるのだろうか?彼らの描く絵は、画用紙の上でも、キャンバスの上でもなく、自然の中に、海の中にコンクリートの塊をたたきこむということなんだ。絵が失敗したら、また別の紙に書くというわけにはいかないのだ。予算どうこうの問題ではなく、もっと時間をかけて、いろいろな分野の方からの意見も聞いて、それから着手してもよいのではないだろうか?

 サーファーという立場から、このような環境問題にぶつかった場合、必ずや「おまえらは遊び場を確保してくれという。でも災害から住民を守るという大義名分のもとに、君たちの意見はわがままにすぎない」そんなことを言われてしまう。今回も、土木事務所の方が、最後に切り札として私たちに突きつけたのは、たぶん平成7年あたりの台風の波が堤防を乗り越えた写真だった。とりたてて説明もなく、これみよがしでもなかったが、「こんなことになったらどうすんだい?君らの屁理屈で災害被害がでたらどうすんだい?」もちろん、その写真はそういうものだったのだろう。

 今回のような沖合いに構造物を投入する作業は、資格か何かの関係で、和田町内の土建業者さんにはできない仕事らしい。内需拡大、町内の活性化を求めるならば、町内の業者さんにできる仕事のほうが良いとも思える。沖合いに構造物を投入して、海の生態系を変化させたり、死滅させてしまうような可能性のあることよりは、単純に、現在の堤防を高くしたほうが、コストパフォーマンスも良いのではないかと思うし、その事業ならば町内の業者さんにだって落札できるのではないだろうか?とにかくも、和田の美しい海の中にコンクリートのオブジェは似合わないし、一生涯、下手糞な絵につきあわされるのは御免こうむりたい。できれば、私たちの考えが、サーファーのわがままだけでいっていることではなくて、美しい海を守っていこう!という思い入れも含まれているのだということを、一人でも多くの住民の方が理解してくれたら、この上ない喜びである。

最近、私のくだらないHPを町役場の方や漁業協同組合の方なども見てくださっているらしい。時代に沿って、この町もどんどん変化していくだろうが、もしもとんでもない町の姿になってしまった時、昔、くだらないHPがあって、いろいろ書いてたな。ということを覚えておいていただけたらありがたい。できれば、そんなことになる前に、みんなで町の将来を考えられたら素晴らしいと思う。海の環境問題だけではなくて、過疎問題も、地場産業の問題も、願望だけかもしれないが、みんなで語り合って未来図が書けたら、それは海をコンクリートで覆い尽くす絵なんかよりもよっぽど美しい絵だと思うのだ。そして、正義が勝つか負けるかはともかく、どんなに暗いニュースが流れる時代だろうと、人口僅かな過疎の町だろうと、それは存在するのだということを信じて生きたい。輝ける2000年を目指そう!                                                              99-12-16

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