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カミキリ虫

都会のサーファーの多くは、ウイークディにはきっちり仕事して、休みの日は絶対に海!みたいな生活パターンの人が多い。仕事そして海、それ以外の行事の入りこむ隙間なんてない。「洋服買ったり、床屋サン行ったりする時間があるなら海でしょう?」それくらい断言するサーファーが好きだ。で、今回は床屋さんの話し。和田の国道沿いに「カミキリ虫」という床屋さんがある。できたのは今から20数年前で、その前は和田浦駅前で「ジンザ」という名前で営業していた。サーファーの間では「民宿ジンザ」として有名だが、その前身は床屋さんだったのである。実家が近所だったので、床屋の椅子におしっこもらしてしまうガキの頃からの付き合いだし、かなり古い。立川談志師匠が、国会議員かなんかの遊説に回ってきた時に「床屋はジンザ、選挙はダンシ」みたいなことをマイクで言っていたのを覚えている。どうして、そういうくだらないことばかり覚えているのか自分でも不思議だし、きっと頭の中はスクラップの解体場みたいかもしれない。こういう男の言うことや書物に真剣に腹を立てたりするのは損なのでやめてくださいね。
で、その床屋さんが晴れて国道沿いに店舗をオープンする際に、「なんか良い名前ねぇかなぁ?」という相談を受けた。当時、自分は阿佐ヶ谷の四畳半に下宿する大学生で、近くに「カミキリムシ」という床屋さんがあった。もちろん、そういう事実は隠して、さも自分がオリジナルで考えたように「カミキリ虫なんてどうすか?」結構いい加減だった。最初「えっ?」みたいな感触だったが、奥さんと相談した結果、その名前に落ち着いたのだった。今から20年も前、昭和の時代の房総半島のはしっこの町の床屋さんのネーミングとしては、決断にちょっと勇気が必要だったかもしれない。「変わった名前だね」「覚えやすくてインパクトあっていいじゃん」いろいろあったが、みんな慣れてしまえばどういうこともなく現在に至っている。時々「この人がこの店の名付け親なんです」なんて紹介される時は、流石に赤面の面持ちで「もっと真剣に考えれば良かったかな?」多少の反省がある。全国には同名の床屋さんが結構あるらしい。仕事と海の繰り返しのサーファーにも重宝されていて「今日は波もないし、カミキリ虫で髪の毛切ってもらおう」なんてサーファーも少なくない。そういうほうが彼らには時間が有効に使えるらしいのだ。都会のサーファーが和田町の床屋さんを利用してるってのもおかしな話しだが、あんまりこういうのを言い過ぎると、「サーファーが和田町に及ぼす貢献度」みたいな話になってややこしいので止めておく。和田町の政治も経済も環境問題も、和田町の将来ももうここでは書かない。西暦2100年くらいに、和田町に住んでいる人に読んでもらいたいことをここで書いても理解されないし、そんなの意味はないからね。和田町の人口も児童数も減って、そういう影響をモロに受けてしまいそうな職種だが、オーナーのヒデちゃんは、そんな弱音も愚痴も吐かずに頑張っているし、あの青と赤を基調にした床屋さんの看板も元気にクルクル回り続けているので一安心だ。
ヒデちゃんはカリスマ理容師ではないが、すごく優しい良い人なので、都会で床屋さんに行く時間のないサーファーはぜひ利用してください。「このHPを見てきました」といっても何のサービスもありません。ただビックリされると思います。つい先日行ったばかりなので、近々に行く方がいらしたらヒデちゃんに言付け頼みます。「あんまりクラブをインサイドに引きすぎるとシャンクが出やすいので注意してね。(ゴルフのはなしでごめんね)」
2000-11-25
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