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老亀の葬儀

私たちがいつも波に乗って楽しんでいる砂浜に、老いた亀が上がった。もちろん死んでしまっている。亀仙人の言葉がピッタリふさわしいくらいに老いていて、甲羅にはたくさんのフジツボが付着していた。時期はGWの真っ只中、多くのサーファー,その他の人種が、その亀の死骸を眺めながら「ウワー、でけー!」「気持ちワルー!」等々の言葉を発しながら、通り過ぎていった。
正直、私は声高に環境保護だとか、ビーチクリーンを叫んだり、これ見よがしにそういうMOTIONを起こすのは好きじゃない。やりたい時に、自分のできる範囲でやっている。今回の亀だって、スコップで穴掘って埋めてあげて、石でまあるく囲ってあげて、しかも花を添えて、線香まで供えてあげたのは、なにも環境保護に貢献したかったわけじゃない。この亀は、絶対に自分よりも大きな波を乗っていたのだし、しかも一生を海の中で過ごした大先輩だし、やはりそういう先輩には敬意を表する方がいいと思ったからだ。それに亀は何となく霊的な雰囲気を持った生き物だし、ひょっとしたらこれからの海での生活を見守ってくれるかもしれない、そんなふうに思ったからだ。一緒に手伝ってくれたジャンという奴は、「竜宮城とか案内されて、乙姫様プレーなんかしてもらったら最高!」なんて、場末のキャバレーを想像するようなことを言っていた。
そういうのは冗談としても、みんな海との関わりに、なにか霊的なもの、精神世界みたいなものを大事にしてることが解って、すこし嬉しかった。線香を供えて、お祈りしてる皆の顔は、やけに真面目で少し可笑しかった。波の上でキャーキャー遊んでいるようなサーフィンだが、なかなかどうして深い世界があることは、あのロペス先生も言っている。そこに到達するには、こういう海での様々なことを経験しなきゃならないし、もっともっといろいろな場所で、いろいろな波を経験しなきゃならない。海亀の埋葬儀式は、なかなか奥の深いことで良かった。
2002-5-7
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